Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

Tramps And Hawkers
トランプス・アンド・ホーカーズ

TITLE: Tramps And Hawkers(トランプス・アンド・ホーカーズ)
AUTHOR:
PERFORMER: Luke Kelly(ルーク・ケリー)


時代はいつごろでしょうか。今日のように、毎日朝6時に起きてバスに乗り、駅に着いたら同じ電車の同じ車両に乗り、同じ時刻に同じ会社に着いて、同じ家に帰り、同じ女房の顔を拝み、というような規則正しい生活ではなく、各地を転々として日銭を稼いでいた労働者たちがいました。

今回の歌にはスコットランドで各地を転々として生活をしていたそういう労働者が出てきます。その日の仕事が終わり、仲間といっしょに酒でも飲もうものなら話はどんどん大きくなることでしょう。

土方や漁師、百姓仕事の手伝いをして汗を流す。その対価のお金はどこに行くのでしょう。酒に消えるか、博打を打つか、いやいや、田舎で暮らす愛する女房か愛しい子供のところへ行くのでしょう。

その日暮らしの流れ旅。泊まる寝床は星の下。雨が降らなきゃそれでよし。

何の経験もしたことのない者が、いくらそれっぽく書こうとも、現実に勝てるわけがありません。

悲しむことも哀れむことも優越感にしたる必要もありません。ただ耳を傾けるのがいいかな、なんて思います。

ちなみに、”My Little Son”と同じ曲を使っています。どちらが先かは分かりません。


Gretna Green: グレトナ・グリーン、スコットランド南部の村
the Clyde: ザ・クライド、クライド川、スコットランドのクライド湾にそそぐ川、グラスゴーを流れる
Buckie: ブッキー、スコットランド北部にある港町
Forth: フォース、フォース川、スコットランドのフォース湾にそそぐ川
Angus: アンガス、スコットランド中東部にある州の名、北海を臨む


Oh come all ye tramps and the hawker lads an gaitherers o bla’
That tramps the country round and round, come listen ane an a’
I’ll tell tae ye a rovin tale o sights that I hae seen
It’s far intae the snowy north an south by Gretna Green

Oftimes I’ve laughed untae mysel when trudgin on the road
My toe rags round my blistered feet my face as brown ‘s a toad
Wi lumps o cake an tattie scones wi whangs o braxie ham
No gien a thocht frae whaur I’ve come an less tae whaur I’m gang

I’ve done my share o humpin wi the dockers on the Clyde
I’ve helped in Buckie trawlers haul their herrin owr the side
I helped tae build the michty bridge that spans the busy Forth
An wi monie an Angus fairmers trick I’ve plooed the bonnie earth

I’m happy in the summertime beneath the bright blue sky
No thinkin in the mornin whaur at night I’ll hae tae lie
In barn or byre or anywhere dossin out amang the hay
An if the weather treats me right I’m happy every day


行商人も担ぎ屋も拾い屋もみんなこっちだ
国じゅうを転々としてる者よ、ひとつ聞いてくれ
雪降る北の土地から南はグレトナ・グリーンまで
この目で見てきた放浪の話を聞いてくれ

一人とぼとぼ歩きながらこの姿を見てどれだけ笑ったことか
足は水ぶくれでつま先は見えるは、顔も赤茶けてまるで蛙よ
こねた麦にイモパン抱えてハムの塊肩に背負って
どっから来たのかわかりゃあしないしこれからどこへ行くのやら

クライド川のドックに行きゃあ荷物を運んで日銭を稼ぎ
ブッキーの底引き網では漁船に乗ってニシンをあげて
音の絶えないフォース川じゃあでっかい橋を組み立てて
アンガスに行きゃあ百姓と一緒にだだっ広い畑を耕した

夏になりゃあ空も一面真っ青で心も晴れる
朝が来たときゃあ今夜の寝場所は頭にない
納屋か牛舎で横になるか干し草に埋もれて寝るしかないか
まあお天道様が守ってくれりゃそれで毎日言うことなし


◆ ザ・ダブリナーズ(ルーク・ケリー)


Comments

“Tramps And Hawkers
トランプス・アンド・ホーカーズ” への2件のフィードバック

  1. 現代日本人の僕には想像しづらいですが、昔はこのようなその日暮らしの仕事で各地を転々としつつ妻子を養う男たちが大勢いたんでしょうね。この歌詞がいつ出来たものかはわかりませんが、come my little sonに似て故郷の貧しさ故に外地にささやかな仕事を求めて放浪者として生きた人々が当たり前にいた時代があったというのが、もはや僕には隔世の感です。

    ところで、これは全く関係の無い話で恐縮ですが、この曲に使われているメロディーはPaddy WestやThe Wind That Shakes the Cornなどそれぞれ全く関係のない他の様々な曲にも使用されているという事を無知故に最近初めて知りました。親しみやすく、聞く者の胸にしみじみと哀愁を呼び起こすこのメロディーは、やはり完成度の高い優れた良曲であるなぁと感じます。

    1. そうですね。長い地球の歴史から見たら、秒単位以下の出来事かもしれませんが、一人の人間からすると本当に隔世の感は否めないと思います。
      このメロディーがどんな歌に使われているかは、私も無知故知りませんでした。お教えいただきましてありがとうございます。

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