Preab San Ól

TITLE: Preab San Ól (プラブサノール)
AUTHOR:
PERFORMER: The Dubliners (ザ・ダブリナーズ)

マタイによる福音書6章29節にこんな一節があります。
And yet I tell you that even Solomon in all his glory was not dressed like one of these.
(だが言っておく、栄華を極めたソロモン王でさえここにあるどれとも同じように装ってはいなかった。)

そして、この歌の中にこんな一節があります。
King Solomon’s glory so famed in story was far outshone by the lilies guise
(物語であれほど有名なソロモン王の栄光はユリの装いにその輝きが負けていた)

また、同じく19章24節に、
Again I tell you, it is easier for a camel to go through the eye of a needle than for a rich person to enter the kingdom of God.
(また言っておく、金持ちが神の国に入るのと比べたらラクダが一頭針穴を通り抜けるほうが簡単である。)
とあります。神の国には金を持っていくな、いや、金を持っては神の国に行けぬ、ということでしょうか。

曲中の
“the scripture’s camel missed the needle’s eye and so came to ground”
(経典のラクダは針穴を見失い、地に来た)
も24節があってのことでしょう。

まあ、言ってみれば、「セコセコ金を貯めてどうする。宵越しの金をもってどうする。飲み代に使っちまおうぜ。さあ飲もう、飲もう。」みたいな「くよくよするな的な」前向きな歌です。少なくとも下界にいる無神論者の私にとってはそう聞こえます。

過去は過ぎ去ったものですし、未来は未だ来たらぬもの、心配してもはじまりません。今日を生きることにします。

タイトルの「プラブサノール」はアイルランド語(Gaelige)です。愛和辞典を持っていないために英語を介しますが、”preab(spring) san(in the) ól(drink)” つまり、「酒浸しになろう」みたいな感じだと思います。

ルーク・ケリー(Luke Kelly)とキアラン・バーク(Ciaran Bourke)が交互に歌うのですが、キアラン・バークはアイルランド語で歌っています。

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King Solomon[キング・ソロモン]: 古代イスラエル最盛期の王


Why spend your leisure bereft of pleasure
A massing treasure why scrape and save
Why look so canny at ev’ry penny
You’ll take no money within the grave

Landlords and gentry with all their plenty
Must still go empty where’er they’re bound
So to my thinking we’d best be drinking
Our glasses clinking and round and round

King Solomon’s glory so famed in story
Was far outshone by the lilies guise
But hard winds harden both field and garden
Pleading for pardon the lily dies

Life’s but a bauble of toil and trouble
The feathered arrow once shot ne’er found
So lads and lasses because life passes
Come fill your glasses for another round

The huckster greedy he blinds the needy
Their strifes unheeding shouts money down
This special vices his fancy prices
For a florin value he’ll charge a crown

With hump for trammel the scripture’s camel
Missed the needle’s eye and so came to ground
Why pine for riches while still you’ve stitches
To hold your britches up another round


なぜ楽しみを奪われ余暇を過ごす
金銀財宝をなぜかき集めて蓄える
なぜ一銭ごとにそんなにケチる
墓の中まで金は持っていけぬものだ

たんまり蓄えた領主も地主も
どこに行くにもやはり一文なし
まあ一番は飲むことだろう
グラスでチーンと、よし飲もう

話にも有名なソロモン王の栄華も
ユリの装いには遠く及ばないが
強風は野原にも庭にも吹き荒れ
許しを請うようにユリは枯れる

人生など艱難辛苦のまがいもの
弓矢は一度放たれればそれっきり
さあみんな人生に停止はないから
なみなみ注ごう、もう一杯

貪欲な行商人は貧困者を盲にし
下劣な怒鳴り声でとっとと金だせ
なんたる悪事か法外の値段だ
二束三文に倍額の請求をするのか

こぶがじゃまになり経典のらくだは
針穴を見失ってこの地に下りてきた
服があるのになぜ金に惹かれるのか
ズボンがずり落ちないよう、もう一杯


The Auld Triangle

TITLE: The Auld Triangle (ジ・オールド・トライアングル)
AUTHOR: Dominic Behan (ドミニク・ビーアン)
PERFORMER: The Dubliners (ザ・ダブリナーズ)

題名となっているのは、古いトライアングルです。昔、小学校に通っていたころ音楽の授業でトライアングルをチーンとかチリーンと鳴らした記憶があります。

今回のトライアングルはおそらく鉄も錆びて澄んだ音色は奏でなかったのではないでしょうか。ある刑務所の囚人を起こすために使われていたといわれている大きな鉄製の古びたトライアングル、いや、三角形のものです。

その刑務所の名はマウントジョイ刑務所(Mountjoy Prison)といい、アイルランドはダブリンのロイヤル・カナル(the Royal Canal)沿いにあります。

以前アイルランドは大英帝国の支配下にありました。当然他国の支配下にあれば独立したいと思うのが世の常。強硬な手段に訴える輩も出てくるのが世の常。有無を言わせず刑務所に叩き込むのも定石。そんな昔の刑務所でのお話です。

作者とされるドミニク・ビーアンの兄、ブレンダン・ビーアン(Brendan Behan)も何らかの「犯罪」を犯し収容された、そんな一人だったそうです。

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the Royal Canal[ザ・ロイヤル・カナル]: ダブリンを流れるリフィー川に注ぐ運河の名


 
A hungry feeling came o’er me stealing
All the mice were squealing in my prison cell
And the auld triangle went jingle jangle
All along the banks of the Royal Canal

To begin the morning, the screw was bawling
Get up you bowsie and clean up your cell
And the auld triangle went jingle jangle
All along the banks of the Royal Canal

The lag was sleeping, humpy gussy was peeping
As I lay there weeping for my girl Sal
And the auld triangle went jingle jangle
All along the banks of the Royal Canal

Up in the female prison there are seventy five women
And among them I wish I did dwell
Then the auld triangle could go jingle jangle
All along the banks of the Royal Canal

All along the banks of the Royal Canal


腹が減りすぎて盗みをしたら
牢屋の中じゃあネズミがチューチュー
おんぼろトライアングルがチリンチリン
塀の向こうはロイヤル・カナル

朝が来ると看守がどなる
虫けら、起きろ、掃除しろ
おんぼろトライアングルがチリンチリン
塀の向こうはロイヤル・カナル

横になる囚人に覗いてくるホモ野郎
サルのことを思って泣いているのに
おんぼろトライアングルがチリンチリン
塀の向こうはロイヤル・カナル

上の階には女が75人だって
あの中で囲まれて暮らせれば
おんぼろトライアングルもチリンチリンかな
塀の向こうはロイヤル・カナル

塀の向こうはロイヤル・カナル


◆ザ・ダブリナーズ(ルーク・ケリー)

◆ザ・ダブリナーズ(ロニー・ドリュー)

◆ザ・ポーグス(シェーン・マガゥワン)

◆ザ・ダブリナーズ(アイルランドのテレビ番組『ザ・レイト・レイト・ショー(司会ゲイ・バーンズ)』より、キアラン・バーク最後の出演シーン、立って歌う若者の中にザ・ポーグスのシェーン・マガゥワンとU2のボノの姿が見える)