Favorite songs of mine from Ireland, Scotland, … and Japan

気がついたらアイルランドとスコットランドの曲にはまっていた日本人が気が向いたときに歌詞と訳を載せています

TITLE: Finnegan’s Wake(フィネガンズ・ウェイク)
AUTHOR:
PERFORMER: The Dubliners(ザ・ダブリナーズ)


アイルランドが誇る作家ジェームス・ジョイス(James Joyce: 1882-1941)の『フィネガンズ・ウェイク(Finnegans Wake)』のもとになったのが、この「フィネガンズ・ウェイク(Finnegan’s Wake)」です。

私の手元にある600ページを超える分厚い本は1ページ目で時間が止まりました。そして、最後のページを見てしまいました。私ごときには何がなんだかさっぱりわかりません。

「典型的」愛蘭土人ティム・フィネガンはレンガ職人、いつもいっぱいひっかけて仕事に出るのですが、二日酔いだったのか梯子から落ちて頭蓋骨骨折により臨終を迎えます。

通夜がとりおこなわれるのですが、アイルランドの通夜って日本と似ているかもしれません。最初こそ涙かもしれませんが、酒が入れば、それはそれ、ドンちゃん騒ぎも始まります。その上、喧嘩が始まってもおかしくありません。

ぐっすり眠るフィネガン、酒をかけられてはおちおち死んでもいられない。すっくと立ち上がる...そんな話です。


Walkin Street: ウォーキン・ストリート、アイルランドのキルケニーにある通り
mo mhuirnin: マヴォーニン、moが「私の」、muirninが「ダーリン」、つまり「私のダーリン」
shillelagh law: シレーリー・ロー、shillelaghは杖でけんかの時には武器になったらしい、shillelagh lawとはおそらくけんかの時のルールと思われる
d’anam don diabhal: ダナム・ダン・ジョール、d’anam (< do (your) + anam (soul)) で、「あなたの魂」、don (< do (to, for) + an (the)) diabhal で、「悪魔に」、あわせて「あなたの魂を悪魔に」の意、だろうか


Ah Tim Finnegan lived in Walkin Street
A gentleman Irish mighty odd
Well, he had a brogue both rich and sweet
An’ to rise in the world he carried a hod
Ah but Tim had a sort of a tippler’s way
With the love of the liquor he was born
And to send him on his way each day
He’d a drop of the craythur every morn

Whack fol the dah, will you dance to your partner
Around the floor your trotters shake
Wasn’t it the truth I told you
Lots of fun at Finnegan’s Wake

One morning Tim was rather full
His head felt heavy which made him shake
He fell off the ladder and he broke his skull
And they carried him home his corpse to wake
Well they rolled him up in a nice clean sheet
And they laid him out upon the bed
With a bottle of whiskey at his feet
And a barrel of porter at his head

Whack fol the dah, will you dance to your partner
Around the floor your trotters shake
Wasn’t it the truth I told you
Lots of fun at Finnegan’s Wake

Well his friends assembled at the wake
And Mrs Finnegan called for lunch
Well first she brought in tay and cake
Then pipes, tobacco and brandy punch
Then the widow Malone began to cry
Such a lovely corpse, did you ever see
Arrah, Tim mo mhuirnin, why did you die
Will you hold your gob, said Molly McGee

Whack fol the dah, will you dance to your partner
Around the floor your trotters shake
Wasn’t it the truth I told you
Lots of fun at Finnegan’s Wake

Well Mary O’Connor took up the job
Biddy, says she, you’re wrong, I’m sure
Well Biddy gave her a belt in the gob
And left her sprawling on the floor
Well civil war did then engage
‘Twas woman to woman and man to man
Shillelagh law was all the rage
And a row and a ruction soon began

Whack fol the dah, will you dance to your partner
Around the floor your trotters shake
Wasn’t it the truth I told you
Lots of fun at Finnegan’s Wake

Well Tim Maloney raised his head
When a bottle of whiskey flew at him
He ducked, and landing on the bed
The whiskey scattered over Tim
Bedad he revives, see how he rises
Tim Finnegan rising in the bed
Saying, whittle your whiskey around like blazes
D’anam don diabhal, do you think I’m dead

Whack fol the dah, will you dance to your partner
Around the floor your trotters shake
Wasn’t it the truth I told you
Lots of fun at Finnegan’s Wake

How is your auld wan
Game ball


ウォーキン通りのティム・フィネガンは
一風変わったイナセな伊達男
どっぷり浸かった甘い訛をあやつって
世間様より高いところに担いで登る
でもティムは若干チビチビやるほうで
酒瓶抱えてこの世に生まれてきた男
来る日も来る日も仕事に行く道すがら
毎朝ちょこっと酒を引っかける

ワック・フォー・ダ・ダーと相手と踊って
くるっとまわって小刻みにトトッと
まるで嘘のような話だけど
とっても楽しいフィネガンの通夜

ある朝ティムはいっぱいいっぱい
頭はズキズキ体もガクガク
梯子からどすーんで頭蓋骨がバリッ
ティムの亡骸家に帰り通夜が始まる
とってもきれいなシーツにくるまれて
ベッドに寝かされたティム・フィネガン
足元にウィスキーのビンが一本ずつ
それから枕元にはビールの樽が

ワック・フォー・ダ・ダーと相手と踊って
くるっとまわって小刻みにトトッと
まるで嘘のような話だけど
とっても楽しいフィネガンの通夜

三々五々に通夜に集まる友人は
夫人の作ったお昼を呼ばれます
まずやってきたのは紅茶とケーキ
それからタバコとブランデーポンチ
後家のマローンが泣き崩れて
こんなきれいななきがら、ねえ見たことある
あぁ私のティム、なんで死んでしまったの
だまってくれる、とモリー・マギー

ワック・フォー・ダ・ダーと相手と踊って
くるっとまわって小刻みにトトッと
まるで嘘のような話だけど
とっても楽しいフィネガンの通夜

メアリー・オコナーも仕事に参加
ビディー、あなたおかしいんじゃないの
ビディーがメアリーに一発いれる
やられたメアリー大の字姿で倒れこむ
さあ、内乱の幕が切って落とされる
女と女がやりあって男は男で戦って
紳士淑女のけんかのルールで
口げんかや争いが始まった

ワック・フォー・ダ・ダーと相手と踊って
くるっとまわって小刻みにトトッと
まるで嘘のような話だけど
とっても楽しいフィネガンの通夜

ティム・マローニーが顔を上げると
ウィスキーのビンが飛んでくる
さっとかわすと、ビンは寝床に着地
ウィスキーがティムの体に降りかかる
なんと、息を吹き返す、見よこの姿
ティム・フィネガンが立ち上がる様
ウィスキーをちびちびやってなんだなんだ
ざまを見やがれ、俺が死んだと思ったか

ワック・フォー・ダ・ダーと相手と踊って
くるっとまわって小刻みにトトッと
まるで嘘のような話だけど
とっても楽しいフィネガンの通夜

かみさん元気か
まあな


◆ ザ・ダブリナーズ(ロニー・ドリュー)

◆ ザ・ダブリナーズ(パッツィー・ワッチホーン)

◆ ザ・クランシー・ブラザーズ・アンド・トミー・メイカム


Comments

“Finnegan’s Wake
フィネガンズ・ウェイク” への4件のフィードバック

  1. フィネガンズ・ウェイクというと私にとってはこのアイルランドの民謡なのですが、つい最近になって同じ名前の有名小説があると知り、この曲とどんな関係があるんだろうか、と思っていました。でも曲の歌詞の意味はよく分からんしなあ、と考えていたらこのサイトで和訳を見つけ、こんな愉快なものだったのかと思っているところです。英語のわからない私にもよくわかる良い和訳と解説を載せてくださる管理人様に感謝します。時々サイトを拝見させていただいておりますが、どうかこれからも良い記事を書いてくださる事を願っています。

    1. nortackのアバター

      k@43  様
      お褒めのコメントを頂戴し恐縮いたします。気まぐれで、更新は不定期ですが、これからもたまに覗いてみてください。ありがとうございました。

  2. わざわざ管理人様より返信をいただき恐縮です。私にはこのようにコメントを付けて応援させていただく以外にできる事もありませんが、どうぞこれからも管理人様のやりたい様に、マイペースでがんばってください。陰ながら応援させていただきます。

  3. […] 夜のシーンがあります。ビリヤード場みたいなところで死体が寝かされているのですが、フィネガンズ・ウェイクでも歌われていたように酒を片手にワイワイガヤガヤ、そして、大合唱。 […]

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